2024/09/15

Nubia Pad 3Dで撮影した動画をPCサイド・バイ・サイドに変換する方法(Windows)

 Nubia Pad 3D、たまーに引っ張り出して遊んでます。90過ぎてだいぶ外出もおっくうになった祖母に山で撮影した風景や植物の写真を見せたら、ほんとに行って見てきたみたいだー、と楽しんでくれていた様子。

まぁそれはともかく、タイトルの件。

撮影した動画はmp4形式なのだけれど、サイド・バイ・サイドではなく、片側ぶんの映像がメタデータとして埋め込まれた変則的なフォーマットになっている。Nubia Pad 3Dで再生すると3D動画として再生されるが、PCなどにコピーして再生すると普通の2D動画として扱われる。(開発元のLeia社は「LVF」フォーマットと呼んでいるらしい。)

で、やりたいのは、Nubia Pad 3Dで撮影した3D動画をPCに持っていって、そこからMeta Quest 3で3D動画として再生、試聴すること。

そのためには、どうにかしてこの特殊なLVFフォーマットの動画を3D動画として扱いやすいサイドバイサイド形式に変換したい。で、調べてみると、こんなのが出てきた。

Leia.inc, Convert from LVF to SBS
https://forums.leialoft.com/t/convert-from-lvf-to-sbs/2825

FFMPEGというコマンドラインの動画編集ツールと、ここに掲載されているFFMPEGを使ったシェルスクリプトで、LVFフォーマットの動画をSBS(サイド・バイ・サイド)形式や、左右単独の動画ファイルに変換できるらしい。

で、このシェルスクリプトはMac(とLinux)用に書かれているので、Windowsで実行できるようにちょっとだけ手を加えて試してみたところ、上手くいくようだ。せっかくなので、それをここに掲載しておきます。

FFMPEGのインストール方法とかは割愛。環境変数にパスを通すのを忘れずに。

サイド・バイ・サイド変換用スクリプト

下記の1行だけのスクリプトをテキストエディタ(メモ帳でOK)にコピペして、lvf2sbs.bat みたいな名前で保存します。(ページ幅の都合で行が折り返されているかも。)

ffmpeg -i "%1" -filter_complex "[0:v:m:language:abl]fps=30[l];[0:v:m:language:abr]fps=30[r];[l][r]hstack" -c:a copy "%~n1_2x1.mp4"

左右の独立した動画に分離して書き出すスクリプト

下記の3行のスクリプト。おなじくテキストエディタにコピペして lvf2lr.bat みたいな名前で保存します。

ffmpeg -y -i "%1" -map 0:v:m:language:abl -c copy left.mp4
ffmpeg -y -i "%1" -map 0:v:m:language:abr -c copy right.mp4
ffmpeg -y -i "%1" -c copy audio.aac

スクリプトの使い方

コマンドラインで、ファイルを出力したいフォルダへ移動してから、下記のように上記のスクリプト(バッチファイル)を実行します。

C:\> /folderOfScript/lvf2sbs.bat /folderOfVideo/nameOfVideo.mp4

例えば、上記のように C:\ 直下で実行したら、そこにサイド・バイ・サイド形式に変換された.mp4形式の動画ファイルが出力されるはず。

2024/06/01

Nubia Pad 3D / How to convert LeiaCam 3D photos to SideBySide (SBS) format / LeiaCamで撮影した3D写真をサイド・バイ・サイド形式に変換する

 前回の記事で、Nubia Pad 3Dで撮影した画像が独自のフォーマット(アプリ内では"LIF"形式と呼称していた)なので扱いにくい、と書いたのだけれど、アプリをいじっていたら、サイド・バイ・サイド(SBS)形式に変換する方法が用意されているのを見つけた。

(英語でもこのやり方の記事を見つけられなかったので、
ちょっとだけ英語でも書いておく。)

まず、LeiaPlayerアプリを起動して、Nubia Pad 3Dの3Dカメラで撮影した画像を表示させたら、画面右上の共有ボタンをタップする。

Launch the LeiaPlayer application, and show the photo  taken  by the Nubia Pad 3D's camera, tap the Share button in the upper right corner of the screen.

すると、画像のフォーマットと共有先の選択が出てくるので、SBS(サイド・バイ・サイド)を選ぶ。「印刷先」(翻訳ミスだろうけど、共有先)は「・・・」を選ぶ。

You will be asked to choose the format of the photo and the destination to share it with, so choose SBS (side-by-side). For destination to share, choose “...”.

アプリの一覧が出てくるので、「Files by Google ダウンロード」をタップすると、端末のストレージ内の「ダウンロード」フォルダにSBS形式に変換された画像が保存される。

A list of applications will be shown, so tap “Files by Google Download”. The photo will be converted to SBS format and saved in the “Downloads” folder in the storage of the device.

写真を一枚ずつ変換する必要があるので、SBSに変換したいファイルがたくさんあると面倒くさいのが欠点ではあるが、これがいちばん確実な方法だと思う。


2024/04/24

nubia pad 3D レビュー(いまさら

 「nubia pad 3D」という裸眼での3Dディスプレイ(仕組み的にはNintendo 3DSに搭載されているやつの大型版みたいなのっぽい)が搭載されたタブレット。

発売されたのは1年ぐらい前なのだけれど、定価で20万ぐらいしていて手が出せずにいたのだが、ふと思い出して探してみたところ、中古で良い状態のが出ているのを見つけて、とうとう買ってしまった。まぁ、ハイスペックなスマホとかタブレットならこのぐらいの価格だし・・・(という自分への説得)

改良された新型が最近発表されたようで、もしかしたら旧型の方の値下がりが始まっているのだろうか?というか、こんなマニアックなジャンルで新型が出るのも驚きではあるが。

余談だがこれ用のケースを探したのだが見つからなかった。Amazonで探すとそれっぽいのがいくつか出てくるが、掲載されてる写真に映ってるタブレットの形状がこれと微妙に違っていてなんか怪しい。国内の別なサイトで購入しようとしたら、まさかの検品で不良が見つかって在庫もないのでキャンセルさせてくれと連絡が来てしまった(いやちゃんと検品して不良品チェックしてくれるのはとてもありがたいのだけど)。

nubia pad 3D の外観
nubia pad 3D

3Dディスプレイ

裸眼の3Dディスプレイについては、なかなか出来が良い。12.4型の十分に大きなディスプレイでの3D表示は、はっきりと奥行きが感じられるし迫力もある。

専用のビューアーアプリ「LeiaPlayer」が入っており、搭載されているステレオカメラで撮影した画像や動画は当然のことながら、普通の2D画像をAIで3Dに変換したりも可能(オフラインでも機能するので、デバイス内で変換処理は完結しているっぽい)。

おもしろかったのが、「LeiaTube」という専用アプリを使うと、YouTubeなど動画投稿サイトに掲載されている3D動画や3DVR動画も3Dで表示させることができること。ついつい動画を漁ってしまう。

スピーカーが4基搭載されていてDolby Atmosに対応していて音も良いので、3Dに限らず普通に動画を見るのにも使える。

欠点としては、2Dから3D表示に切り替えたときに幾分か暗くなってしまうとか、明暗の大きい画像だと3D表示の時に多少の残像(例えば右目の映像に左目用の映像の残像が被って見える)が見えたりする。まぁじゅうぶん許容範囲内ではあるし仕方ないのかもしれないが、新型ではディスプレイが改良されるらしいので、このへんも改善していることに期待したい。あとは重量が約790gほどあるのでそこそこ重たい。

ステレオカメラ

背面のメインのステレオカメラ(上の写真にも写っている)と、ディスプレイ上部に内向きでサブのステレオカメラが搭載されている。

背面のカメラのベースライン長(2つのカメラの間の幅)は30mm。なので人間の目の間隔と比べると半分ぐらい。撮影した画像のサイズは3840x2400pxになる。

内向きのカメラはベースライン長15mmでメインカメラの半分。撮影した画像のサイズは3264x2040pxになる。

メインカメラはベースライン長が狭いので、これで撮影した写真は人間の目と比べて視差が小さくなり目で見た感覚と比べて立体感が弱くなるので、被写体が数m程度ならそこそこの立体感は出るけれど景色など遠景には向かないかも。

でけれど経験上こういうカメラだと、1m未満のような近距離での撮影に向いている(逆にベースラインが長いと視差が大きすぎて違和感が強くなる)ので、植物や動物に近づいて撮影したり、小物やフィギュアなどを撮影したりとか、これはこれで向いてる用途がある。

内向きのサブのステレオカメラは、3Dディスプレイでユーザーの顔を検出する用途も兼ねているらしいが、普通に自撮りにも使える程度の性能があるようだ。専用アプリを使うと、nubia pad 3Dユーザー同士で3Dのビデオチャットが出来るらしい(が、こんなマニアックなデバイスを持っているユーザーがそんなにいるわけもないので出番は・・・)。

撮影した画像のフォーマット

撮影した写真の画像ファイルを取り出してみると、一見して普通の2DのJPEG画像に見える。サイド・バイ・サイドというわけでもない。調べてみるとJPEGベースの特殊なフォーマットになっているらしく、もう一枚の画像が詰め込まれているらしい。

ここの動画で説明されているツールでなんとかそのもう一方の画像を取り出せた。
https://www.youtube.com/watch?v=tDpxqZ2evyA
が、なかなか面倒くさい。

カメラアプリで保存するフォーマットをサイド・バイ・サイドかMPO形式あたりを選択できるようにしてくれたらありがたいんだけどなぁ。

撮影した動画はMP4形式だが、こちらも写真の方と同じく、一見して普通の2Dの動画に見える。独自フォーマットで片側の映像チャンネルが埋め込まれているらしい。これもツールで分離しないと、nubia Pad 3D以外ではステレオで再生できないっぽい。

他のデバイス等で撮影したステレオ画像への対応

実はこれが一番お目当ての機能だった。現状だとステレオの動画や画像を見るには、VRヘッドセット(Questとか)とか、スマホでもそれようのゴーグル的なのを使えばいけるのだけれど、どっちにしても着脱が面倒くさかったり操作がめんどくさかったりする。(Quest3+アプリでステレオ画像や動画を見ると画質も良く迫力があって楽しいのだが。)裸眼で見れると、手軽だし、何より人に手渡しして見せることもできる。

で、いろいろ試してみた。

MPOファイル:○
FinePix Real 3D W3 で撮影した画像をnubia Pad 3Dにコピーしたら、内蔵のビューアーアプリ「LeiaPlayer」で何の手間もなく3D表示可能。

サイド・バイ・サイドJPEG : ○
QooCam EGO 3D で撮影した画像で試した。自動で3D画像と認識してくれるものと、そうで無いものとがあっていまいち安定しない。が、ファイル名の末尾に _2x1 と付けておくと(例 : hoge_2x1.jpg)サイド・バイ・サイドの3D画像だと認識してくれる仕様がある。・・・が画像の数が多いとファイルのリネームが面倒くさいのが欠点。

FinePix Real 3D W3 で撮影した動画(.avi形式):×
対応していないらしい。全く見れなかった。これは正直ちょっと残念だった。

サイド・バイ・サイドMP4動画:○
QooCam EGO 3Dで撮影した動画で試した。これはしっかりと3Dで再生された。こちらも、ファイル名の末尾に _2x1 と付けておくとサイド・バイ・サイドとして認識してくれる。

まとめ

価格がネックではあるが、貴重な3D表示デバイスとしては十分な性能を備えていると思う。少なくとも自分は過去にFinePix Real 3D W3で撮った写真をごっそりこのタブレットに入れて眺めながら結構な時間を潰すぐらいには使えた。

ステレオカメラも、ベースライン長が肉眼の半分程度しかないという弱点はあるが、中~近距離の範囲なら全然使えるレベルだと思う。むしろ近距離の撮影が得意だと思う。タブレット自体がそこそこ重たくてかさばるのでガンガン屋外に持ち出して撮影するというのはちょっとツライかもしれないが。